運送関係の仕事といえば「クロネコヤマトの宅急便」を多くの方がイメージすると思います。
実際に、クロネコヤマトの宅急便でお馴染みの「ヤマト運輸」は日本だけなく世界的にも有名な大手物流企業であり、アルバイトやパートタイマー、正社員まで幅広く雇用し、授業員の数も多いです。
ここでは、ヤマト運輸の基本情報や雇用状況、また口コミ情報などから、
- ヤマト運輸の給料や年収に関する情報
- ヤマト運輸がブラックといわれる理由や検証
- ヤマト運輸と他の企業との比較
これらのことについて、詳しく解説していきたいと思います。
ヤマト運輸の給料・年収はそもそもどのくらい?
ヤマト運輸は物流業界だけではなく、世間一般でも知られている大企業ですが、ヤマト運輸の給料や年収がどのくらいあるのかは気になるところです。
ここではまず、ヤマト運輸の基本情報や概要、給料や年収について解説していきます。
ヤマト運輸の基本情報
ヤマト運輸は日本を代表する大手物流企業であり、宅急便をはじめとした各種運送に関わる事業を幅広く展開しています。
- グループ ヤマトホールディングス株式会社
- 商号 ヤマト運輸株式会社
- 本社 東京都中央区銀座
- 事業内容 物流事業全般
- 社員数 183249名
- 資本金 500億円
- 拠点数 支店や本社を含み計7351か所
概要からでもわかるように、ヤマト運輸は、日本はもちろんのこと世界的に見ても規模の大きい大手企業であることがわかります。
社員数は18万人以上、資本金は500億円、拠点数7351か所など、これらの数字は大企業であることを納得させる数字といえます。
基本的には運送業務なので、日本各地に拠点を構えるのは業務上当たり前のことではありますが、それでも7351か所の拠点は、業界内でも多い数字たといえるでしょう。
ヤマト運輸の仕事内容は?
ヤマト運輸の仕事は、宅配便などの配送業や集配作業、営業活動、セールスドライバー、これらの仕事がメインとなっています。
例えば、担当するエリアの個人や企業への荷物の配達や、集荷業務などといった、荷物の配達や引き取りなどもメインの仕事です。
ヤマト運輸のような企業は佐川急便をはじめとする物流企業がそうなのですが、業務内容自体に大きな大差はありません。
ですが、ヤマト運輸の場合は、ひとりひとりが担当するエリアが狭いため、より地域密着型で仕事ができることが特徴のひとつといえるでしょう。
ヤマト運輸の年収は?
ヤマト運輸で得られる年収は、従業員の立場によって当然ながら異なります。
アルバイトやパート、正社員でもそうですし、どの立場でどの部署で、またどのような仕事内容なのかでも年収が異なります。
アルバイト・パートの給料
アルバイトやパートも、仕事内容や時間帯に応じて時給が変化します。
ヤマト運輸のアルバイト・パートの給料は、「950円~1438円」となっており、仕事がハードになる、時間帯が遅くなるほど、時給が上がる傾向が強いです。
そのため時給が平均的な日中では主婦層のパートさん、時間帯が深い夜間などは学生に人気です。
時給は平均的に高いのですが、労働時間が5時間~6時間のケースがほとんどであり、早朝の場合は2時間労働となっています。
そのため、残業をしない限りは長く働くことができないと考えることができるため、時給は高くても日給にすると平均的といえます。
ですが、人員体制や業務システムがしっかりと構築されているため、仕事量のバランスが良く、やり方や事業所によっては割の良いアルバイト・パートともいえるでしょう。
因みにアルバイトやパートタイマーは、倉庫内作業や事務作業が一般的な仕事内容です。
ドライバーの給料
ヤマト運輸のドライバーの場合は、基本給はやや低めでインセンティブが大きくなっているのが特徴としてあります。
インセンティブが給料割合を占めている部分が大きくはありますが、月の平均給料は25万円~35万円とされているので、平均年収も500万円程となり、業界内でもこれは高い水準であるといえます。
因みに、全国の平均年収が409万円なので、全国的に年収を見た場合も、ヤマト運輸の年収は高く安定しているといえるでしょう。
- 月給内訳 基本給+インセンティブ+各種手当
- 昇給 年に1回
- 賞与 年に2回
- 残業 あり
- 福利厚生 全20種類以上
インセンティブが大きい仕事ではありますが、平均的に安定している要因には各種手当がしっかりと付いていることに要因があるといえます。
また、学歴によって年収に差があるというデータも出ており、こちらは平均年収が高い理由に要因しているといえるでしょう。
ヤマト運輸の学歴・年代別の年収データ
ヤマト運輸では、学歴や年代に応じても年収が異なるというデータが出ています。
- 高校卒 799.7万円
- 短大卒 939.6万円
- 大学卒 1249.5万円
学歴別のキャリアピーク時の平均年収データとなっています。
配送がメインでありながらも、大学卒の方が年収が高い要因には、大学卒の場合は本社勤務の方が多くいるケースが多いため、高い水準になると考えられます。
ですが、これは何もヤマト運輸だけの話だけではなく、同じような大手物流企業である佐川急便においても同じような傾向がみられました。
- 20代 年収/533.1万円 賞与/133.3万円
- 30代 年収/696.5万円 賞与/173.8万円
- 40代 年収/883万円 賞与/220.7万円
- 50代 年収/995.4万円 賞与/248.8万円
- 60代 年収/674.7万円 賞与/168.7万円
年代別に見た場合の年収データはこのようになっており、40代~50代がキャリアピークといえます。
ですが、20代~30代においても決して低い水準の年収ではなく、一番低い20代の年収533.1万円でも、全国平均の409万円を大きく上回っているため、全国的、また業界内においてもヤマト運輸の平均年収は全体的に高い水準であるといえるでしょう。
ヤマト運輸の待遇・福利厚生は?
給料面では高い水準であることがわかりましたが、待遇面や福利厚生は気になるところであり、また給料面と同じくらい大事なポイントです。
福利厚生は業界内でも充実
ヤマト運輸の福利厚生は、全部で20種類以上あるとされており、これは全国的、また業界内においても非常に充実しているといえます。
育児や介護に関する福利厚生はもちろん、時期による1週間の長期休暇など、ライフワークのバランスがとりやすいサポート体制が組まれています。
ですが、これは配属先や営業所などにも大きく影響されるようで、例えば現場職よりも内勤職の方が福利厚生が使いやすかったりもするようです。
ヤマト運輸全体で、またほんとうの意味で待遇や福利厚生を充実させるためには、しっかりと体制や人員確保などのシステム構築をさらに改善する必要があるといえるでしょう。
- ヤマト運輸の年収は業界内・全国的にも高い水準
- 待遇や福利厚生は充実している
- 人員体制などのシステム面に関しては改善する余地あり
ヤマト運輸がブラック企業と言われる理由は?
上記で紹介したように、ヤマト運輸は年収面や待遇・福利厚生面などからも、それぞれが高水準で優良企業の部類に入ると、データ上からいえます。
ですが、それでもネット上や世間の一部では「ヤマトはブラックだ」と評価されていることも少なくありません。
運送業のイメージ
まず、第一にいえることは、ヤマト運輸に限らず、運送業そのものに悪いイメージを持った方が一定数以上いることが要因としてあります。
例えば「ハードワーク」「長い拘束時間」「営業ノルマ」など、これらのワードは特に配送業に当てはまるとイメージされているようです。
以下は、運送業に対して持つイメージの、ネット上の主な意見です。
- 賃金が高い代わりに体への負担が大きい
- 労働時間が長くプライベートの時間がとれない
この2つの意見が特に多かった印象です。
確かにひと昔前であれば、これらのようなイメージが実際に当てはまることも多く、俗にいうブラックと呼ばれる運送会社も多くありましたが、現在では法規制や社会的イメージの改善などもあり、このような企業は少なくなってきました。
特に、ヤマト運輸や佐川急便のような大企業においては、社会的イメージを意識する傾向が強いため、業務体制の改善は積極的に取り組まれています。
ですが、それでもブラックと呼ばれる運送会社は少なくなったとはいえ、存在していることも事実なので、業界全体が改善傾向にある現在でも上記のような悪い意見がなくならないともいえます。
営業所によるところの違い
営業所によって体制や配送需要が異なる点も、ヤマト運輸が悪いイメージを持たれる大きな要因ともいえます。
例えば、その営業所の人員がしっかりと整っていれば仕事の振り分けもしっかりとできまし、ひとりひとりがキャパオーバーするリスクをおさえることができますが、人員が不足している、仕事量が極端に多くなってしまうとあっという間にキャパオーバーしてしまいます。
地域によっては、配送需要や人員の集めやすさが異なるので、簡単にいってしまえば「営業所によってアタリ・ハズレ」が出てしまうことが、ヤマト運輸にブラックなイメージを持つ大きな要因のひとつだといえるでしょう。
- 運送業そのもののイメージがまだまだ悪い
- 営業によって違いがあるのも大きな要因
ヤマト運輸とUber Eats配達員、やるならどっち?
コロナ過の自粛などもあって、最近になって「フードデリバリーサービス」と呼ばれる宅配サービスが大いに注目されています。
商品をお客様に届けるという、目的そのものは配送業もフードデリバリーサービスも同じではありますが、仕事の内容や報酬システムには大きな違いがあります。
「フードデリバリーサービス」において、現在最も注目を集め、また重要が高いのが「Uber Eats配達員」です。
Uber Eats配達員とは?
Uber Eats配達員とは、フードデリバリーサービスを全国的に展開する「Uber Eats」と契約を結んだ配達員のことで、「Uber Eats配達パートナー(以下、配達パートナー)」が正式な名称です。
配達パートナーは、Uber Eatsと従業員として労働契約を結ぶのではなく、個人事業主としてUber Eatsから仕事を受注します。
そのため、一般的な正社員や、アルバイト・パートタイマーなどの固定給ではなく、完全歩合制で報酬が支払われるため、システム的には運送会社と契約する個配ドライバーに近いといえます。
配達方法は自転車・バイク
こちらも一般的な運送業との大きな違いで、Uber Eats配達パートナーは飲食店の料理を自転車や原付バイクを使って注文者の元へ配達します。
自転車や原付バイクを使って配達をするのですが、多くの配達パートナーは小回りが利く自転車を使っていることも特徴だといえるでしょう。
一部の地方や雪の多いエリアであれば、営業ナンバーを所持する軽自動車が使われることもあります。
あくまでも個人向けサービス
Uber Eatsのターゲットは、あくまでも「飲食店の料理を注文したい個人」がメインのため、ヤマト運輸の需要とは根本的に違うといえます。
ヤマト運輸においても宅配業務を幅広くやっているため、宅配に関しては個人をターゲットにしているといえますが、その他にも企業や会社向け、また集配業務や仕分け業務なども行うため、Uber Eatsはよりポイントを絞った仕事だといえます。
個人事業主であることがポイント
Uber Eatsで配達パートナーを行う際に、忘れてはならないことは、個人事業主として仕事を受けるということです。
つまり、仕事に対しての責任が大きいのはもちろん、業務に必要な経費、また稼いだ際の確定申告など、全て個人で行う必要があります。
報酬は時給換算するとわかりやすい
Uber Eatsでの報酬は、配達1件に対しての単価であるため、完全歩合制であり報酬も仕事量によって変動します。
また、活動するエリアによって単価も異なるので、「1時間あたりの配達件数」「そのエリアの平均時給・最低賃金」が目安になります。
因みに、Uber Eatsでの報酬を時給換算すると「1500円前後」が平均的といわれているので、上記の2つのポイントと照らし合わせればさらに計画的に仕事ができるといえるでしょう。
ヤマト運輸とUber Eats配達員やるならどっち?
ヤマト運輸とUber Eats配達パートナーとでは、サービス内容や仕事・報酬のシステムが根本的に異なるため、単純に比較することは難しいです。
ですが、現在の置かれている状況や環境などを冷静にしっかりと分析すれば、自分に向いている仕事はどちらなのかを選ぶとこはできます。
例えば、給料よりもプライベートな時間をより優先したい場合であれば、Uber Eatsはある程度稼げて時間の融通も利きやすいです。
また、収入を安定させて、充実した福利厚生を受けたいのであればヤマト運輸の方が適しているといえます。
まとめ
ここまで、ヤマト運輸の基本情報や給料・待遇などから、ヤマト運輸では稼げるのか、ヤマト運輸はブラックなのかなどを解説・検証してきました。
ヤマト運輸に限った話ではないのですが、営業所によって仕事量や待遇に違いがあることは、業界全体にいえることですが、近年の法規制や業界における業務改善の動きが活発化したことによって、以前に比べ「運送業=ブラック」といったイメージは改善されつつあります。
ですが、業界においての課題はまだまだあるといえるので、ヤマト運輸をはじめとした物流業界には今後も注目してきたいと思います。
コメントを残す